少ない資金でリスクも少なく独立開業できることから、人気急上昇の軽貨物運送。その最大のメリットとはどこにあるのでしょうか?
そして、宅配を始めルート配送や引越しなど、その仕事内容も多彩ですが、実際にはどんな仕事の種類があるのかなど、わからないことも多くあります。
そこで今回は、軽貨物運送とは何かという基礎知識やそれぞれの仕事のメリットと種類、そして開業する方法を解説してみようと思います。
軽貨物運送の基礎知識
まずは軽貨物運送の特徴やそのメリットといった基礎知識をご紹介しましょう。
■軽貨物運送とは?
軽貨物運送とは、軽トラックなどの軽自動車を使用して行う貨物運送事業のことで、正式名称は「貨物軽自動車運送事業」と言います。
そして、荷主から荷物の運送依頼を受け、指定された場所に届けることが主な業務となります。また、法人でなくてもできるため、個人事業主として始めやすい貨物事業とされています。
■軽貨物運送を始めるメリット
軽貨物運送は、運転免許証と軽トラック1台があれば開業できます。そして、初期費用が中古車の購入費用程度で済ませることも可能です。
また、通常のトラックなどを使用する運送業(一般貨物自動車運送事業)は許可制で開業のハードルが高いのですが、軽貨物運送は届出制なので、書類に不備や問題がなければ、すぐに事業を開始できるのも特徴となります。
業務委託される個人事業主である軽貨物運送を始めるメリットとしては、自分の都合に合わせて案件を選んだりスケジュールを組んだりできることが挙げられます。
また、本店や営業所などを用意しなくても自宅を本拠地にして開始できるなど、開業前に無理して資金を用意しなくても軽トラック1台で始めやすいこともメリットとして挙げられるでしょう。
ネット通販やネットオークションの普及により、個人売買が増えているため、それを運ぶ軽貨物運送の案件数は多く、軽貨物運送の需要が高まっています。
さらに、引越しシーズンには引越し業者不足が起きるため、軽貨物運送業者も引越しに参入しやすい状況となっています。
軽貨物運送の仕事の種類
軽貨物運送には、宅配、ルート、スポット、チャーター、そして引越しと多くの仕事があります。そして、それぞれに特徴があります。
■宅配代行、委託配送
宅配会社の代わりに個人宅へ荷物を配達する仕事で、ネット通販の普及で荷物が急増し、高齢化が進むことで食料品や生活必需品の配送が増加すると見られ、ドライバーの募集や求人が最も多い仕事となっています。
また、経験を積むことで女性でも多くの収入を得られる可能性があります。
■定期便、ルート便
毎日、毎週のように定期的に、決められた場所に配達する配送方法で、コンビニやドラッグストアなどの各種チェーン店や企業向けなど法人への配送がメインとなります。
配送の時間が決まっているためスケジュールを組みやすく、毎回同じ道を利用し同じ場所へ納品するので、未経験であっても取り組みやすいことがメリットといえます。
■スポット便
緊急で荷物を発送する配送方法をスポット便といいます。
距離のある遠隔地への発送や、高額なものが多く、単価の高い案件が多いというメリットがある反面、突発的に依頼が来るため予定が立てにくく対応することが難しいこともあるため、安定した収入が得られないというデメリットもあります。
■チャーター便
依頼者の貸し切り車両として運送する方法で、時間制あるいは日給制で契約されます。依頼者は時間内であれば自由に軽自動車とドライバーを社員に代わって利用できるので、人気があります。
■引越し便
単身など荷物の少ない世帯の引越し時の配送の手伝いを行います。専門の引越し業者ではないため、補償内容に制限を設けることができ、依頼者は荷物の運搬を手伝う必要があることが多くなります。
軽貨物運送の始め方
様々な働き方がある軽貨物運送ですが、 個人事業としてスタートするにはどのようにすればいいのでしょうか?
■軽貨物運送を開業する方法
軽貨物運送を開業するには、管轄の運輸支局へ必要な届出を申請する必要があります。
「貨物軽自動車運送事業経営届出書」を様式に沿って記入し提出し、「運賃料金表」は運輸支局が用意しているひな形を利用すると良いでしょう。
また、「運送約款」は国土交通省の定めた標準約款を利用することが多いため提出は不要です。
さらに、使用する軽自動車の「車検証」と「事業用自動車等連絡書」、「事業用自動車等連絡書」を運輸支局に提出後再度受け取り、軽自動車検査協会へ持っていくという段取りとなります。
軽自動車検査協会で使用する軽自動車に、地色が黒のナンバープレートを交付してもらいます。
「営業ナンバー」などとも呼ばれるこの「黒ナンバー」を取り付けていなければ違法となります。また、車検の用途が「貨物」となっている軽自動車であれば申請できます。
自動車任意保険に加入しておく必要があります。営業用として車両を利用するため、保険料が高くなりやすいのですが、軽自動車なので他のトラックよりはかなり安くなります。
また、加入していないと荷主や顧客と契約することができない場合もあります。
■軽貨物運送を始めるにあたっての注意点
軽貨物運送を始める前に知っておきたい注意点とはどんなことがあるのでしょうか。
軽貨物運送では、ガソリン代などの必要経費は全て事業主である自分の負担となるので、案件の単価だけではなく、かかる経費を考えて仕事の依頼を受ける必要があります。
また、車両の維持費や税金、年金、健康保険など報酬額から経費を引いた額が利益となり、運送会社、配送マッチングサービス会社から仲介手数料も引かれる場合があります。
また、加盟金が必要な場合もあるので注意しなければなりません。
多くの案件を受け過ぎることによる、オーバーブッキングや超過労働しないように注意することも重要です。
一度引き受けた依頼をキャンセルすると、顧客に多大な迷惑が掛かり信用を失うことになります。
また、欠車扱いとなることで損害賠償が発生する場合があります。
スポット便などの依頼は高額報酬ですが、突発的なためスケジュールを予め組めないので、他の仕事との調整が難しく、よく考えてから受ける必要があります。
依頼を受ける案件や休日、そして休憩は自分で決めることができるため無理のない運行管理が必要です。
営業用として頻繁に配送に使用するため、走行距離は自家用車よりも多く傷みやすいことから、日頃から車両をメンテナンスし、万全の状態で勤務することで不測の事態を避けることができます。
■配送マッチングサービスで仕事を得る方法
現在、荷物を運んで欲しい「荷主」と、荷物を運びたい「ドライバー」をマッチングするサイトが増えています。
例えば掲載企業数が業界トップクラスの「軽のシゴトドットコム」で仕事を得る方法は、新着仕事一覧の中からやりたい仕事を探す方法と、ドライバー登録し荷主からのオファーを待つ方法の2つがあります。
どちらも、自分の希望するエリアや仕事内容、そして単価などが合う案件を選べます。
ガンガン稼ぎたいのか、余裕を持って無理なく仕事をするのかを自身で決められますし、仕事内容も事前に確認できますから、安心して依頼を受けることができるでしょう。
稼ぐようになるには
軽貨物運送は、一般の貨物車を利用する貨物運送事業と異なり、自宅やその車庫を拠点にして簡単に開業することができる制度となっていることから、非常に人気となっています。
ただし、簡単に稼げるということではありません。稼ぐようになるには、しっかりとした情報収集で準備したり、基本的なことから親切に相談出来たり、開業後もサポートしてくれる事業者を確保することがポイントとなります。
全体のまとめ
宅配、ルート、スポット、チャーター、そして引越し等、多彩な仕事内容がある軽貨物運送ですが、どの仕事が自分に合っているかは実際にやってみないとわかりません。
大変だと思っていた宅配が意外と自分に合っているかもしれませんし、長距離を走って稼ぎたいと思っても体力的に長続きできないということもあります。
そこで、初期の頃は好き嫌いなく様々な案件を一通りやってみることをおススメします。そして、本当に自分に合った仕事を見つけられたら、それを極めていくことが「稼ぐ」ことにつながるでしょう。
そのために、様々な案件を探せるマッチングサイト「軽のシゴトドットコム」は、きっと役に立つはずです。