ドライバー不足の現状と原因|需要高まる運送業を個人で始めるには?

現在、運送業界や物流業界では人材不足が深刻化しています。
大型トラックのドライバーはもとより、その他の職種でも人材確保が大きな課題となっています。

特にネット通販が普及したこともあって宅配などの小口配送の荷物が急増している反面、ドライバーの高齢化や労働条件の厳しさのため、ドライバー数が減少しているのが現状です。
そこでこの記事では、ドライバー不足の現状や原因とともに、需要が高まっている個人での運送業を始始める方法やその働き方、魅力についてご紹介していきます。

運送業界のドライバー不足の現状と原因

ドライバー不足がかねてより問題になっている運送業界。以下では、その現状と原因についてお話しします。

■ドライバー不足の現状

2019年5月時点において、常用労働者数に対する未充足求人数の割合となるトラックドライバーの欠員率は5.7%とされています。
これは、全産業平均の欠員率3.1%の約1.8倍となり、非常に深刻な状況と言えます。
また、2019年5月時点のトラックドライバーの有効求人倍率は2.75であり、全職業平均の有効求人倍率1.35の2倍以上と、輸送量の増加に対して人手不足が解消されていないことを意味しています。

また、鉄道貨物協会の発表によると、トラックドライバーの不足数は今後も拡大していくと見られており、2017年度の不足数は10.3万人と推され、2025年度には20.8万人、2028年度には 27.8万人まで拡大するという予測がされており、トラックドライバー不足の解決が急務となっているのです。

このまま人手不足が続けば、業務を回せず倒産する会社が出るおそれがあります。また、トラックドライバーの不足が続いている背景から、貨物輸送を鉄道や船舶に切り替える「モーダルシフト」の動きも見られています。貨物輸送業務の効率化だけではなく、CO2削減など環境負荷の軽減効果が見込まれており、政府が推進している状況です。

■ドライバー不足の原因

上述したとおり、トラック運転手をはじめとするドライバー不足により、運送業界では人材確保が難しくなっている状況です。この背景には、複数の要因が考えられます。
以下では、代表的なドライバー不足の原因についてお話しします。

ドライバー不足で需要が増えている宅配業に就くには?

ドライバー不足により、宅配業界は常に人材が求められている状況です。運送表の種類や開業方法など、宅配業に就くための基本的な情報についてお話しします。

■運送業の種類

運送業は、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業(軽貨物運送業)と、大きく3つに分けられます。
いずれも報酬をもらい、車両を使って荷主の荷物を運送する仕事ですが、これからドライバーを目指すなら、需要が急増して仕事が豊富にある宅配業に向いている軽貨物運送業がおすすめです。

軽貨物車両を使用するため、トラックでは入れない路地での運送も可能で、初めて運送業に挑戦する人には最適です。
しかも、軽車両は運転もしやすく、オートマ車も利用できることから女性に好まれます。

タクシーをはじめとする一般常用旅客自動車運送事業は貨物ではなく旅客を運びます。ただし、2020年10月現在、タクシー事業者も食料・飲料の運送が行えるようになっています。これは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う食糧・飲料の運送ニーズに応えるためです。タクシー事業者が貨物の運送を行うためには、申請が必要になります。

■軽貨物運送業の開業方法

軽貨物運送業の開業をするには、軽貨物車両と駐車場を用意することが必要ですが、車両はカーリースでも中古車でもOKです。
そして、運輸支局に必要書類を揃えて軽貨物運送業の開業届を提出するだけなので簡単です。

開業日から1カ月以内に開業が受理されたら、軽自動車検査協会で「黒ナンバー」を取得し、用意した営業用の車両に取り付けます。その後、所轄の税務署に開業届を提出したら開業できます。

ドライバー不足に対する事業者の主な取り組み

こうしたドライバー不足の状況を鑑み、事業者は様々な取り組みを行っています。全日本トラック協会も積極的な取り組みを奨励中です。代表的な取り組みをいくつかご紹介します。

■待遇の改善

上述したとおり、労働環境は現在の人材不足を招いている大きな要因のひとつです。ドライバー待遇の見直しによって、人材の充足が期待できます。

働きやすい労働時間やシフト制を導入すること、給与水準を他業種より低くならないよう確保することなどが、待遇改善のための取り組みとして挙げられます。

■教育体制の充実

未経験者をスキルアップできるような教育体制を強化することも重要です。効率的な教育を実施できれば、未経験者を積極的に採用できます。
先輩ドライバーが教育を担当すれば、実践的なスキルを継承可能です。専属のサポートチームを設立し、教育を担当させることもあります。

また、大型免許の取得を会社サポートするなど、ドライバーがスキルアップしやすい制度を設けることも大切です。

■将来のキャリアプランの提示

保有資格やステージに応じて昇進・昇給制度を整備すると、所属ドライバーのモチベーションアップが期待できます。
例として、ドライバーから現場責任者、管理者へのキャリアアップできる体制を整えることなどが挙げられます。

目標となる先輩ドライバーの育成、勤続年数に応じた報奨金の設定などもモチベーションアップが期待でき、職員の定着につながります。

■仕事に誇りを持てるようなイメージづくり

トラックドライバーの一般的なイメージ改善も重要です。
物流において重要な役割を担っているという社会的意義を知ってもらうため、企業説明会などの周知するイベントを積極的に行うことが大切です。

また、車両な制服などは一般の方の目に触れることも多いため、イメージに大きく影響します。
デザイン性を向上させる、清潔に保つようにドライバーに呼びかけるといった取り組みが、イメージ向上につながります。
採用したドライバーの定着率を上げるため、リラックスできるカジュアルな職場の雰囲気を醸成することも大切です。

ドライバー不足の時代に、軽貨物運送業を始めるメリット

ドライバー不足により大型トラック運送業界は厳しい状況ですが、一方でこの時代に事業を始めるメリットもあります。収入や開業ハードル、人間関係など代表的なメリットについてお話しします。

■実力次第で高収入を目指すことが出来る

軽貨物運送業のドライバーは、個人事業主のために、固定給の会社員と異なり、働いた分だけ報酬を得られる職種です。
またドライバーの需要が増えているため、業務に慣れて多くの荷物を運送できるようになれば、年収も増え、他の業種よりも高収入を目指すことも可能です。

ただし楽して稼げるということではありません。働いた分だけ報酬を得られるということは、働かなければ収入は得られないということであり、より多く収入を得るには日頃から真面目に働き、努力することが求められます。
正社員のように有給休暇もないので、自分の体のコンディションにも注意する必要があります。

■開業のハードルが低い

軽貨物運送業は初期費用が少ないのも魅力です。リースでも中古車でもいいので、軽貨物車両を1台用意すれば始められます。
もし、すでに所有する車が仕事で使る軽バンや軽トラックなどの軽貨物車両であれば、それで充分です。

また、開業の手間も他の運送業と異なって少なく、他の運送業は「許可制」のため審査結果通達までの待ち時間がかかるのに対して、「届出制」のため書類に不備がなければすぐ開業できます。

そして、正社員としての雇用ではないため、年齢制限も経験も必要なく始められます。そして、前職が運送業界でなくてもすぐに慣れて、誰でも同じように働けるのもこの仕事の魅力です。

■人間関係のしがらみが少ない

軽貨物運送業は個人事業主のため、上司・部下という関係性はなく、一般的な会社員に比べて人間関係のしがらみが少なく、仕事に集中しやすいと考える人も多くいることで、転職する人も増えており、非常に注目されています。

実はこの「人間関係のわずらわしさ」というのが、会社勤めをやめて軽貨物運送業に転職する人に非常に多い理由となっています。

相手にするのは上司や同僚ではなく、お客様であるのでまったく人とのかかわりがないわけではありませんが、仕事中は基本的に独りですからわずらわしさはほぼ感じません。

軽貨物運送業のドライバーが仕事を探す方法

現在は、様々なサービスが普及しており、軽貨物運送業のドライバーにとって仕事を探しやすい状況です。以下では、代表的な仕事探しの方法についてご案内します。

■求人サイトを利用する

軽貨物運送業のドライバーにとって重要なことに、賃金を得るために仕事を探さなければいけないということがあります。
ただ待っていても仕事は入ってきませんし、営業に時間をかけていては本来の運送業務にさく時間が無くなってしまいます。収入を得るためにはこの問題を解決しなければなりません。

そのためには、軽貨物運送業の仕事を取り扱う専門の求人サイトを利用する方法が効果的です。

これらのサイトには、開業の手続きをサポートしてくれたり、開業前研修を設けていたりする会社もあり、運送会社へ面接に行く際、初期費用や手数料など、給料面での不明点を聞いておくことなど、重要な情報も得ることも出来ます。

■配送マッチングサービスを利用する

一昔前までは、自分で営業に歩いたり、やみくもに電話をかけたりして仕事を探していたのですが、最近の傾向として、荷物を運んで欲しい「荷主」と、荷物を運びたい「ドライバー」をマッチングするサイトが増えています。
必要なときに必要な分だけ、荷物配送の仕事を請け負うことが出来るので、仕事を見つけるには理想的な方法と言えます。

しかし、その配送マッチングサービスにも様々なものがあり、どれでも良いというわけにはいきません。

運送業界とドライバーの懸け橋「軽のシゴトドットコム」

若い世代が減少し、どんな業界でも人手は不足していますが運送業界はもっとも深刻な業界と言えます。
その影響は大きく、会社の存亡にもかかわっています。その反面、運ばなくてはならない荷物は増え続けており、運送業者だけにとどまらず、他業種にも影響が及んでいます。

そんな中で、トラック輸送などの経験のない人であっても活躍できる軽貨物運送に挑戦する人が増えているのは朗報です。
そして、配送マッチングサービスといった新しいシステムが登場し、軽貨物運送のコネもスキルもない人たちによってなくてはならない武器となっています。

特に「軽のシゴトドットコム」では、使い勝手も良く、利用者も増加しており、ドライバー不足の業界と安定した収入を求める軽貨物運送業者の懸け橋になっています。

ドライバー不足の状況だからこそやりがいがある運送の仕事を

通常なら仕事がないことが問題となるのですが、運送業界では仕事は潤沢にあるどころか今でも増え続けているのに、やる人がいないという現象がおきています。

それは荷物の配送という、他の職種と比べて難しそうで大変な仕事を連想するためです。

さっそく「ドライバー」として
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