運送業でのチャーター便とは?混載便との違いや利用するメリット

貨物輸送では、混載便(こんさいびん)やチャーター便、そして路線便や定期便など様々な運送方法があります。
個人ではその存在を知る機会はないかもしれませんが、荷主となる企業においては、自社の商品や製品を運ぶ上で、最適な輸送方法を選ばなくてはなりません。

そのためには、それぞれの運送方法の特徴を知る必要があります。今回はその中から、チャーター便の特徴とメリット、そしてその対極となる運送方法の混載便との違いをご紹介します。

運送業でのチャーター便とは?

■運送業におけるチャーター便の意味

チャーター便とは、顧客の要望に応じて車両を一台丸ごと貸し切り、貨物を輸送することを意味しています。また、「専属輸送」「貸切便」と呼ばれることもあります。

一般的には、旅行会社が飛行機を団体客やツアーの為の臨時便などに貸し切って運行するチャーター便が知られていますが、トラックを使用する輸送サービスにおいても、多く利用されています。

■トラック輸送のチャーター便の特徴

トラック輸送のチャーター便は、専属のトラックとドライバーによって顧客の荷物を運ぶのが特徴です。基本的に運送料金は移動距離と荷物量に応じて上がる仕組みとなっています。
チャーター便以外の一般的な運送方法では、効率化のため複数の顧客の荷物を1台のトラックに積んで運ぶことが多く、「混載便」と呼ばれる運送方法となります。

顧客がチャーター便を利用するメリット

■配達日時やルート選択の自由度が高い

チャーター便を利用するメリットとしては、貸し切る契約のため目的地に直行可能となり、顧客の都合に合わせて配達日時やルートを決めやすくなることが挙げられます。
また、ほかの顧客の荷物との兼ね合いがないので、指定した時刻に、より確実に荷物を届けるのに適していることもメリットといえます。

■荷物の破損のリスクを抑えやすい

チャーター便では、顧客が荷台のスペースを自由に利用して荷物の積み込みができるので、積載する荷物の形状や大きさ、そして素材などに応じて積み方を工夫することで、必要な養生などにより破損を防ぐための対策ができます。
一方混載便の場合は、スペースの無駄による損失を防ぐために、できるだけ多くの荷物を積むことが多く、ほかの顧客の荷物とぶつかって破損する可能性はチャーター便よりも高くなってしまいます。

そして、ほかの顧客の荷物がなく、目的地まで荷物を積み下ろす作業が必要ないため、荷物の積み下ろし作業による破損のリスクも大幅に抑えることが可能となります。

■特殊な荷物を運送しやすい

チャーター便は、このような特徴があるので、特殊な形状などの荷物のように、ほかの荷物と一緒に運送するのが難しい品物を安全に運ぶことに適しています。
例えば、美術品、工芸品などの壊れやすいもの、ニオイの強いもの、動物、そして高額な荷物などがこれらに該当します。一方混載便では、万が一ほかの荷物に被害を与えた場合、顧客は補償を求められるリスクがあるのです。
多くの運送サービスには保険がかけられていますが、保険の内容が限定されているのかフルカバーなのかを事前に確認しておくことも必要です。

このように、まとまった大量の荷物を一括で送れることだけではなく、荷物が少ない場合でも、他の荷物との接触により破損するリスクを下げられることで、高い安全性を確保できることは大きなメリットといえるでしょう。
また、目的の場所まで直接集荷し納品することにより、より早く届けたい場合にもメリットのある選択肢となります。

■チャーター便のデメリット

デメリットとしては、トラックごと貸し切るので、荷物量によっては無駄が多く、割高になるケースがあることです。
温度管理が可能な車両を指定することで冷蔵指定の食品などの荷物も送ることも可能で、低温での運送が必要な冷凍食品、特定の温度を保つ必要がある発酵食品などはチャーター便が適しています。

ただし、低温輸送が必要なものと常温で輸送できるものが混在する場合は、運送車両を分ける必要があるため、トラックを複数台チャーターしなければならなくなり、輸送費が高くなることもあります。

チャーター便とボックスチャーター便の違い

■ボックスチャーター便とは

ボックスチャーター便は、専用のボックス(箱)に荷物を入れて運ぶチャーター便のことで、ボックスのサイズは業者により指定されています。
集荷された荷物はボックスに入れられたまま、届け先まで納品されるため、ボックス内の積み替えがなく、破損のリスクを抑えやすいことが特徴です。

また、チャーター便と同様に、荷物を指定した時間に配達できるよう対応するサービスが多くなっています。

■通常のチャーター便との違い

ボックスチャーター便は、顧客がボックス単位で貸し切りを行い、チャーター便の貸し切りは車両単位という違いがあり、荷物の量によっては、車両を1台貸し切るよりも料金を抑えられる場合があります。
さらに、ボックスが荷物を守る役割を果たすため、厳重に梱包する必要がなく、梱包作業や梱包材にかかるコストを削減しやすいというメリットもあります。

ボックスといっても「箱」やコンテナではなく、配送センターやショッピングセンターの納品で使われる鉄製の籠のようなパレットが主になります。
運送会社によって大きさが何種類かに分かれており、荷物量が多い場合は必要な個数のボックスを用意します。
また、複数の降ろし地向けに振り分けることも可能です。形態としては混載便なのですが、ボックスごとに荷物が分かれ封印されるので、口割れなどが発生するリスクが少ないことはメリットといえるでしょう。

ただし、ボックスの大きさには限界があり、高さは170㎝ほど、縦横のサイズは100㎝×100㎝ほど、また重量600kgというのが平均的なサイズのため、荷物によっては利用できない場合もあり、その点は注意が必要です。

混載便の特徴

■運送料金が安い

チャーター便がトラックを貸切で使用するため、運送料金は高くなり、特に少量の荷物の場合では、特殊な荷物や緊急時以外にはおすすめできません。
一方混載便では、荷物の量にかかわらず、割安な運賃となるために、定期的な運送には最適といえます。細かな荷物ならパレットごと、梱包がしっかりされていればバラでも可能で、一部の特殊な大きさ、形状以外なら比較的自由度も高く受けてもらえます。

■チャーター便と混載便の違い

チャーター便は、1台のトラックを契約者の荷物の配送のみに貸切で使用するため、積み込み作業が終了次第すぐに出発でき、時間の短縮が見込めます。一方の混載便は、様々な契約者の荷物と一緒に配送するために、他の荷物の積み込みが全て終わるか、決められた時間になるまで出発できません。
したがって、時間に余裕がない場合は、チャーター便の方が適しているといえるでしょう。

また、チャーター便は車自体を貸し切るので目的の配送先まで荷物を積んだまま、積み替えの必要はありません。
しかし、混載便では集荷の際は小型の車ですが、配送センターで一度荷下ろしし、目的地が長距離の場合は路線の大型トラックに積み替え、目的地近くの配送センターで再び荷下ろししたのち、小型車両に積み直すので、最低4度の積み替えを行うことになります。

また、近距離エリアの場合でも集荷後に一度配送センターで下ろすので、最低2度の積み替えが行われるのです。

全体のまとめ

チャーター便、混載便、そしてボックス便には、それぞれにメリットとデメリットがあり、各社の性格や運送の目的を踏まえて、より的確な運送方法を選択することが重要となります。
そのためにも、それぞれの配送方法の特徴を知っておかなければなりません。

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